人はいつも当たり前にあった何かを失ってしまうと大きな喪失感に襲われます。
それは死別や失恋、あるいは仕事や部活、好きなドラマなど、生活の一部に大きく関わっていた存在ほど精神的なショックが大きくなります。
喪失感からくる無気力状態になってしまうと、立ち直るまで時間が掛かってしまいます。何もする気が起きず、気分もずっと沈んだ状態でふさぎ込んでしまう方もいます。
ひどい場合はうつ病を発症してしまう方もいます。
恐らく誰でも一度は経験があるであろう喪失感は、大きなストレスによる心のホルモンバランスの乱れが関係していると言われています。
喪失感からくる無気力状態から立ち直る方法はあるのでしょうか。
喪失感の心理状態
豆腐メンタルのとふめんです。(@tohumen090031)
喪失感は、今まで当たり前にあった人、ペットの存在、仕事や部活などの日常的な習慣となっていたこと、大切な物の紛失、または好きな番組やマンガ、好きな俳優やアイドルの結婚や引退など、様々な理由で突然起こる感情です。
心が空っぽになってしまったような感覚になり、他のことを考える余裕がなくなる無気力状態に陥ることもあります。失ったショックで悲しさや寂しさに襲われ、気分が沈みこんでしまいます。
人によっては一人でふさぎ込んでしまったり、涙が止まらなくなってしまいます。体調管理も十分にできなくなり、不眠症、食欲低下など起こして体を壊してしまう場合もあります。
喪失感はネガティブな感情が強い状態が続くので精神的にも負担を掛けて心も疲れさせます。
人生で一番心が疲れる出来事の1位が死別、2位が離婚というデータがあるように、人との別れに関する出来事は精神的に大きなダメージを与えます。
他にはどのようなことで喪失感が起こってしまうのでしょうか。
喪失感を感じる瞬間はどんなとき?
喪失感は別れや日常的な習慣の変化、目標を失ったときなどに起こります。
自分が大切に感じていたり、依存している思いが強いほど、喪失感も大きくなります。
喪失感が引き起こされる原因をいくつか紹介します。
1.家族の死別/恋人の死別/友人の死別
身近な存在の死はとてつもなく大きな喪失感に襲われます。
当たり前のように一緒に居た人との別れは精神的ショックが大きすぎて、心を病んでカウンセリングを受けるようになる方も珍しくありません。
立ち直るまでに相当な時間が必要となり、何年何十年経っても心が癒えない場合もあります。
一番喪失感の大きい出来事と言えるくらい精神的な負担が大きいので、自力で立ち直ることを考えず、周囲に支えてもらったり、医療機関に相談することも大切です。
2.離婚
離婚も今まで一緒に生活していた存在との別れなので、喪失感が大きくなります。
日常の何かちょっとした出来事で過去のことを思い出したりして、気分が沈んでしまうこともあります。
また、離婚に至るまでの期間はとても面倒になる場合が多く、死別の次にストレスが大きいと言われています。
3.恋人と別れる
失恋も距離が近かった存在との別れなので、喪失感を感じやすくなります。
一緒にいた人がいなくなった寂しさや孤独感が大きいので友人に慰めてもらうと心が軽くなることもあります。
どちらかというと女性の方が喪失感は大きく感じるようです。
しかし、失恋のショックが長引きやすいのは男性のようです。
4.生活環境の変化(転勤/転校/卒業/就職)
転勤や就職、卒業などは住んでいた環境や人間関係が大きく変わります。親しい仲間や慣れた街を離れることが大きな不安となり喪失感や寂しさを感じやすくなります。
5.退職/部活動の引退
生活の一部として長く頑張り続けてきた仕事や部活が終了してしまったときも大きな喪失感に襲われることがあります。
当たり前のように過ごしていた時間にぽっかり空白ができてしまうので、時間の使い方に戸惑ってしまいます。
例えば長年働いた職場の定年退職した人は、家でぼーっとすることが多くなってしまったり、部活動の引退した人はその後の学校生活に身が入らなくなってしまうこともあります。
習慣がなくなってしまったことによる喪失感の影響は意外に大きく、真面目な人ほど心のバランスがとれなくなって体調を崩しやすくなる、といったことが起こります。
6.大切な物の紛失
大切にしていた物や長年愛用していた道具が壊れたりなくなってしまうことでも喪失感は起こります。
例えばアクセサリーや食器。思い出深い物ほどショックも大きくなります。
あとは保存していた写真などの「データ」が消えてしまっても喪失感を感じることがありそうです。
スマホで写真を送信しようとして誤って削除押してしまったときにはもう呆然としますね。
7.「○○ロス」
好きな番組が最終回を迎えたりマンガが完結してしまった時にも喪失感を感じることがあります。
毎週夢中になっていた作品ほど、面白かったという余韻と同時にこれからの楽しみがなくなってしまう戸惑いに変わり、喪失感を感しるようになります。
ほかにも好きな俳優の結婚や推しのアイドルの引退なども「〇〇ロス」の分類です。中には「明日の生きる糧」にしてしまうほど依存している人もいます。
依存度が高いほど失った時のショックが大きく、仕事に行けなくなったり病んでしまう方がいるほどです。
8.ペットロス
ペットは今や家族同然の扱いとしている方が多いだけに、ペットとの別れは家族同様の大きなショックを受けることがあります。
日々の疲れやストレスを癒してくれる存在だけに、亡くなったときの喪失感は癒えるまで相当時間が掛かるかもしれません。
喪失感の原因は幸せホルモンの「ドーパミン」?
うつ状態や無気力状態を引き起こすこともある喪失感は、幸せホルモンであるはずの「ドーパミン」が原因である、ということが研究で分かってきています。
アメリカ・ラトガース大学の研究者が行った『失恋直後の被験者に元恋人の写真を見せる』という鬼畜な実験によると、元恋人の写真を見せた時、幸福感や快感を得た時に分泌される幸せホルモンの「ドーパミン」が出ていることが分かりました。
脳が失恋したことを処理できずに「ドーパミン」を過剰分泌することで、無理やり幸福感を高めようとしている状態になっているようです。
脳が勘違いして幸福感を高めた後に現実へ戻されることで、感情の落差が大きくなって精神的ダメージも大きくなってしまうようです。これが喪失感の原因です。
また、人はある刺激の快感を覚えると、更に強い刺激を求めるようになります。ギャンブル依存や衝動買いでストレス解消する人がその例です。
今までの環境の高い幸福度に慣れてしまっていると、無意識にさらに高い幸せを求めてしまいます。つまり幸せ依存の中毒症状を引き起こしている状態です。
そこに何らかの理由で喪失感に陥ってしまうと、幸せに飢えた状態で心が病んでしまいやすくなります。
喪失感から立ち直る方法
喪失感や無気力から立ち直る方法はあるのでしょうか。
方法としては大きく分けて2つあります。それがこちら。
2.時間が解決してくれるのを待つ
喪失感は精神的負担が大きく無気力状態となってしまうことが多いので、「次に進もう」と思って簡単に行動できるものではないです。
無理に行動しようと思っても心へのストレスが大きくなって体調を崩してしまうことがあるので、「動ける」と思った時だけ先に進むことをお勧めします。
喪失感で心が傷ついている時は、心を癒すことが優先です。
1.傷ついた心を癒す方法
傷ついた心を癒すには次のような行動がおすすめです。
▼泣く
涙にはストレス発散して心をスッキリさせる力があるので、映画や読書をして泣くことはおすすめです。
▼ヒーリングミュージック
川のせせらぎや森の音など、ヒーリングミュージックは心を癒してくれます。何も考えたくないときは音楽を流して心を落ち着かせると良いです。
▼アロマ
アロマにはストレスを和らげたり心を落ち着かる働きがあります。
▼人に話を聞いてもらう
話を聞いてもらうことは心の整理にも繋がり、心の負担が軽くなります。
身近な人がいればその人に聞いてもらうでも良いですし、打ち明ける人がいない場合は、「こころの健康相談ダイヤル」という厚生労働省が行っている無料相談窓口も存在します。相談ではなくても話を聞いてもらうだけでも少し楽になります。
▼運動/筋トレ/体を動かす
体を動かす気力があれば運動もおすすめです。
身体を動かすとホルモンが分泌が活発になり、物事をポジティブに考えられるようになります。
▼不安をノートに書き出す
不安に感じていることを頭の中で考え込んでしまう、余計に憂鬱になってしまいます。しかし、不安をノートに書きだすと頭が整理させて溜まった思いを発散できます。一度試してみる価値ありです。
▼仕事に打ち込む
一人でふさぎ込んでしまうとネガティブなことばかり考えてしまいます。目の前の仕事などに打ち込むと辛い事を考える時間が減ります。
▼日光浴/森林浴/散歩
陽の光は幸せホルモン「セロトニン」を増加させると言われています。正しい生活リズムで過ごすことを心掛けたり、散歩をするとより効果的です。うつ予防にも繋がります。
2.時間が解決してくれるのを待つ
「辛すぎて何もできない」という方は無理に何かをしようとする必要はありません。
無理に頑張ろうとしても心が弱っているのですぐに疲れてしまいます。
何もできないときは無理せず何もしないでいてください。
1日中寝ていても良いですし、泣きたいだけ泣いても良いです。仕事を休んでしまっても仲間がなんとかしてくれます。心の傷は時間が解決してくれることもあるので焦り過ぎないことも大切です。
やってはいけない心の癒し方
喪失感から立ち直るには、辛い事を忘れるために次へ行動を移すことがおすすめです。しかし、喪失感を紛らわせるためにやってはいけないこともあります。
心が不安定なときに依存性の高いものに手を出してしまうと、辞めたくても辞められなくなってしまい取り返しのつかないことになる危険があります。
1.薬物/タバコ
精神的に病んでいると正常な判断が鈍ることがあります。これらに手を出すと健康を害したり取り返しのつかないことになります。
ダメ、絶対。
2.ギャンブル
ギャンブルは一度ハマると依存性の高いものなのでおすすめできません。
不安を解消するためにギャンブルに手を出してしまうと抜け出せなくなってしまう危険があるので別の心の拠り所を見つけることをおすすめします。
3.衝動買い
人によっては買い物をすることがストレス解消に繋がります。しかし、衝動買いが癖になってしまうと刺激が足りなくなり、より高いものへの欲求が高まります。不安を解消するための衝動買いは破産に繋がるのでおすすめできません。
まとめ 喪失感から立ち直ることを焦らない
喪失感は突然起こることなので対処が難しいです。
また、考え込んでしまいやすい人ほど症状から抜け出せなくなりやすいので注意が必要です。
これは根性論ではどうにもなりません。
治そうとするのではなく心を癒してあげることに集中してください。それが「喪失感」を乗り越える近道です。
参考にさせていただきました
心に溜めた不安を吐き出すことはストレス解消やうつ予防に非常に大切で、人に相談したり、ノートに書きだす行為は効果的です。
身近に相談できる相手がいない場合は専門家に話すことで心を癒すことができることもあります。
重く受け止めやすい方は一人で抱え込むよりも人に頼ることをおすすめします。
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ありがとうございました。