私たちは日々、さまざまな商品やサービスを購入しています。
しかし「なぜその商品を選んだのか?」と深く考えたことはあるでしょうか?
おそらく、すぐに言語化できる人は少ないでしょう。
『消費者心理学』、あるいは『行動経済学』を理解することで、私たちがどうしてこの商品を選んだのか、その行動の理由が見えてきます。消費者心理を知ることで無駄遣いを減らすことができたり、買い物で損をしなくなったり、役立つことがたくさんあります。
今回は、『消費者心理学』から購買心理(人がなぜその商品を買いたくなるのか)を深堀していきたいと思います。
システム1(直感脳)とシステム2(熟慮脳)

こんにちは、水島とうふです(@tohumen090031)
皆さんは買い物をするとき、どんな理由でその商品を購入しますか?
恐らく大抵の答えは「なんとなく」だと思います。
人は普段、直感で買い物をしていることが多いのです。理由は言語化すれば、
・美味しいから
・いつも買っているものだから
・必要な物だから
・安いから
・好きなブランドだから など
ちゃんとした理由があるのですが、深く考えなくても 「これだ!」 と思うものを脳で判断して買うことが出来ています。食品や日用品など、買い慣れたものを購入する場合は直感的な脳(システム1)を使用することが多くなります。
一方で大きな買い物をする場合、あるいは初めて買うものなどの場合、よく考えて慎重に買い物をします。(システム2)
人はシステム1とシステム2、二つの脳を使い分けて買い物をしていることが多いです。
▼2つの思考パターン
システム2・・・熟慮的、疲れる、判断が遅い
非合理な買い物?
私たちはいつもお得なもの、役に立つもの、必要なものなどをしっかり判断して買い物をしているような気がしますが、実はそこまで合理的な人間ではないようです。
人は何かを「選ぶ」、「決める」ということを1日に何千、何万回とするので脳は大きな疲労を感じています。だから時には「なんとなく」、お得感や必要かどうかを無視して直感的に選ぶことがあります。
・いつも買っているから
・いつものが飽きたから
・なんか気になったから
・その時の気分ではなかったから
・気分転換したかったから など
システム2はよく考える分、脳疲労が激しい。システム2ばかりを使いがちな人は疲れやすい傾向があります。だから私たちは、無意識にシステム1を使用して非合理な選択をしているのです。
続いて、なぜかついつい買ってしまいたくなる購買心理のトリックについて紹介します。
購買意欲を揺さぶる心理学
購買意欲は、さまざまな心理的要因によって影響を受けます。店や広告の戦略には、あらゆる心理学が実用されています。代表的なものをいくつか紹介します。
1.スノッブ効果(希少性の原理)
「限定品」「残りわずか」などの言葉を見ると、買わないといけないと思ってしまう心理のことです。
これは『スノッブ効果』(希少性の原理)と呼ばれます。人は手に入りにくいものほど高い価値があると感じる傾向があります。
・数量限定
・期間限定
・当店限定
・残りわずか など
もの珍しさから買ってみたくなったり、「残りわずかということは人気商品なんだ!」という想像が働きます。
2.バンドワゴン効果(社会的証明)
『バンドワゴン効果』(社会的証明)とは、商品の特徴を詳しく知らなくても大勢の人が評価している、認めているものは、買うことに安心感を覚える心理です。
・売上No.1!
・10万人が愛用
・食べログ評価が☆4.0 など
「他人が支持している商品は自分にとっても良いものに違いない」、と考えやすくなります。
3.ハロー効果

ハロー効果とは、ある対象の一部だけの特徴が強調されることで、それ以外の特徴の評価も影響を及ぼす心理効果のことです。例えば、美人を見たときに「性格も良いはず」と無意識に思い込んでしまうような現象です。
ちなみに、一部の特徴だけで全体イメージに悪影響を及ぼしてしまう現象は逆ハロー効果といいます。ハロー効果は消費者の購買意欲にも大きな影響を与えています。
ブランドイメージによる影響
有名ブランドの商品は、それだけで「品質が良い」「信頼できる」と思われがちです。例えば、Appleの製品はデザインやユーザー体験が優れているため、多くの消費者が「機能も優れているに違いない」と感じ、スペックを細かく比較せずに購入することがあります。
中には、商品にブランドロゴが入っているだけで全幅の信頼をおく人もいます。
パッケージやデザインの影響

見た目が高級感のある商品は、品質も優れている印象を持ちやすくなります。例えば、横幅の大きなボトルよりも、背の高いスラっとしたボトルのお酒のほうが高そうに感じたという実験もあります。高品質を推したい商品はそれだけデザイン性にもこだわって作られている可能性があります。
反対に、リーズナブルで手に取りやすい商品は、馴染みやすいデザインを意識していることがあります。
芸能人・インフルエンサーの紹介
人気の芸能人やアイドル、フォロワー数の多いインフルエンサーが薦める商品は、その人の好感度の影響を受けて「この商品も絶対良いはず」と感じることがあります。たとえ実際の性能が他の競合商品と同じでも、有名人の影響で売上が伸びることが多いです。
価格の影響
「高いもの=良いもの」という先入観を持つ消費者は多く、価格が高めの商品は「品質も良い」と想像してしまうのが人の心理です。逆に、同じ品質でも価格が安すぎると「この商品大丈夫か?」と心配して敬遠しまうこともあります。
実際には「高いわりに大したことなかった」、「激安なのにすごく良い商品だった!」という経験があるのではないでしょうか。
4.権威バイアス

医者のような専門家が薦めた商品に対して信頼が増す現象を権威バイアスといいます。医者、専門家、先生など権威のある人が推したものは、否定的な印象を持たずに受け入れられやすい心理を指します。
・市販薬
・サプリメント
・洗剤
・寝具
・ダイエット方法 など
5.返報性の心理
『返報性の心理』とは「何かをしてもらうと、お返しをしたくなる」心理のことです。
試供品や無料サンプルの提供
例えば、化粧品の試供品をもらうと「何か買わないと申し訳ない」と感じて、そこまで欲しくなかったのに購入してしまうようなことです。スーパーで試食コーナーを設けるのも同じく『返報性の心理』が使われています。
また、クーポンや限定特典などの特典を受け取ると「利用しないと損」と感じて、購入したいと思うようになります。
・今だけ10%オフ
・初回購入者限定プレゼント
・試食コーナー など
手厚い接客やサービス
丁寧な接客を受けると、「ここで買わないと悪い気がする」と思い、購入することがあります。高級店やブランドショップでの接客が購買に繋がりやすいのはこの心理が働くためです。
6.ブランドイメージの影響
有名ブランドの商品には、安心感、信頼によって購買意欲が沸くケースがありますが、実は他の心理も働くことがあります。
ブランド品が好きな人には、商品そのものよりも「ブランド品を持つ自分の地位」を求めて購入する人もいます。ブランド価値のあるものは、「自己価値を高めたい」「地位を示したい」という自己顕示欲のための道具としても使われます。
7.選択肢オーバーロード(決定回避の法則)
何かを買おうと思って楽天市場やAmazonを検索しているうちに、なんだか満足してしまって何も買わなかった。という経験をしたことがあるかもしれません。これは選択肢が多すぎると選ぶことに疲れてしまうという心理が働いています。
選択肢が多いと購入率が減ることを証明した心理学の実験もあります。
【実験】ジャムの品ぞろえの異なる2店でそれぞれ売上の統計

▼店で立ち止まった人の割合
◆商品が 6種類のA店 40.0%
◆商品が24種類のB店 59.9%
店の前で立ち止まった(興味を持った)のは24種類のジャムを売っているB店の方が多い結果でした。
▼買った人の割合
A店(6種類) 29.8%
B店(24種類) 2.8%
しかし、実際に購入されたのは圧倒的に6種類のジャムを売っていたA店でした。24種類のジャムを販売したB店の購入率が極端に低いことが分かります。この実験から選択肢が多過ぎると購買意欲が下がるということが証明されています。
満足度で統計を取っても結果は同じく、A店の方が満足度は高い結果でした。
まとめ
以上、買い物の際によく使われている消費者心理、行動経済学の心理について紹介しました。
私たちが商品を購入する背景には、さまざまな心理的要因が影響しています。企業のマーケティング戦略を理解することで、自分の購買行動をより客観的に見直すことができるかもしれません。「本当に必要なものか?」と考えることで、無駄なく賢い買い物ができるようになりますね。
是非参考にしてみて下さい。
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ありがとうございました



