人はなぜ本音を誤魔化してしまうのでしょうか。
私たちは同じ失敗を繰り返したり、イライラを関係ない人にぶつけたりしまいます。それは性格が悪いからでも、意志が弱いからでもありません。
私たちの心には、無意識のうちに自分を守ろうとする仕組みが備わっています。心理学ではそれを『防衛機制』と呼びます。防衛機制はストレスや不安、葛藤から心を守るための反応です。 誰にでもある心理ですが、自分がどの防衛機制を使っているかに無自覚なままだと人間関係はこじれやすくなります。
「なぜあんな態度を取るのか」
「なぜ自分はあの場面でああなってしまうのか」
その理由がわかるでしょう。今回はストレスから守るための無自覚行動『防衛機制』について紹介していきます。
心を守ろうとする行動『防衛機制』

こんばんは、水島とうふです。(@tohumen090031)
例えば仕事の失敗や人間関係、ある状況で不安や恥を感じると、心が傷つきストレスを抱え込むことがあります。その心の負担を解消しよう、あるいは自分を守ろう、という無意識な心の働きを「防衛機制」といいます。
この防衛機制の行動にはいくつかの種類があります。例えば何かを言われたときに反論や言い訳をすることも、ひとつの『防衛規制』が働いているといえます。これは怒りや心のもやもやといったストレスから身を守ろうとしている心の働きなのです。
防衛機制とはどんなものなのかを自分で知るだけでも、「あ、今自分の心はストレスを感じたんだ」という確認にもなりセルフメンタルマネジメントに繋がります。具体的にどのような行動が防衛機制なのか紹介していきます。
1.知性化

知性化の特徴は、会話でわざと難しい言葉や専門用語を多用して理解しにくい表現をすることがあります。理屈や分析で感情を落ち着かせます。
このタイプは、感情的な表現や欲望を表に出すことが苦手な人にでやすい防衛機制です。周りがついていけないような専門的・マニアックな趣味をもつ人も多いです。
『知性化』は無知な自分やコミュニケーションが苦手というコンプレックスの裏返しの可能性もあります。バカだと思われたくないために難しい知識をひけらかすことがあります。
2.抑圧

抑圧は不安や葛藤している感情を無意識に忘れさせようとしたり、心から消したりしようとする行動です。嫌な記憶や不安な記憶の一部が思い出せない、という形で表れることもあります。
不安な感情を抱く人に関しての記憶が無意識に抜け落ちて、約束を忘れるなどの問題が起こりトラブルを起こしやすくすることもあります。夢でうなされたり体調不良を起こしやすくなったりする場合もあります。
3.合理化

合理化は自分にとって都合の悪い事が起きたとき、相手に問題があるように理由をつけたりそれっぽい理由を後付けして自分を正当化しようとしたりする心の行動です。
合理化が表れやすい人の特徴、自分の非を認めない人、プライドが高い、自信家のタイプが多いです。当人が合理化の働きが起きているという自覚はあまりありません。
失敗を認めない、他人の指摘を素直に受け入れられないなどの傾向があるので、周りからは関わりにくい人だと思われている場合もあります。
このタイプは意外と打たれ弱い豆腐メンタルの傾向があり、心の弱さや傷付きやすさを隠そうとするための心理行動であると考えられます。
4.投影

投影とは、簡単にいうと責任転嫁してしまうような人を指します。
自分のミスをあたかも他人のミスのように指摘します。自分の中の受け入れられないことを他人の話として語る癖が投影です。
例えば
「あの人はきっと私のことが嫌いだと思う」
このセリフの本心は、「私はあの人のことが嫌い」です。自分も「あの人」を嫌いなのを差し置いて、相手がもんだいあるかのような言い方をしています。
投影はコンプレックスや自分の嫌いな部分を明確に自覚している人に起こりやすい心理行動です。
5.反動形成

反動形成とは、抱えている感情とは反対の態度をとってしまう心理行動です。
「反動形成」は自己評価の低下を恐れた行動の表れです。自信のない人、自己肯定感の低い人に多い傾向があります。
相手にに好意を悟られたくないために冷たくしてしまったり、苦手や嫌いな相手に過剰に親切にしたり誉めたりしてしまう心理行動です。
思春期に好きな子にいじわるしたくなる心理も、反動形成の一種なのかもしれませんね。
6.代償・置換・置き換え

「代償・置換・置き換え」とは、満たすことが出来ずに溜まった不満を他で満たそうとする心理行動です。
代償はある物事や人に対して不満や劣等感を感じている人が行動に出やすい心理です。
■例えば
「子供がいない寂しさからペットを飼う」
「旦那が冷たいから不倫をしてしまう」
「家庭内で相手にされていないから職場で部下にきつく当たる」
「職場のストレスを家族にぶつける」
などが反動形成の一例です。
代償・置換・置き換えは浮気や不倫、DVやパワハラなどの大きな問題となる行動に繋がる場合もあり、して良いことと悪い事の分別がつけられなくなる人がいます。
7.逃避

逃避はわりと普段の会話でも出てくるワードなので理解しやすいと思いますが、直面している不安や緊張、恐怖などから逃げる心理行動です。
一旦現実から逃げることで心を守ろうとする心理行動です。
▼逃避の例
「学校や職場へ行こうとすると具合が悪くなる」
「勉強をしようと思っていたのになぜか掃除を始めていた」
「いつまでもお風呂に入れない」
これらも「逃避」当てはまります。
夢の中で逃避を行ってストレス解消をすることもあります。
8.同一化・同一視

『同一化』『同一視』は、優れた人や重要なものと自分を重ね合わせようすることで不安を静めたり、欲求を満たしたりする心理行動です。
「同一化」は自己評価を高めたいという心理の表れです。不安の強い存在や存在の大きな相手と自分を重ねることもあります。
▼同一化の例
好きな芸能人と同じ髪型にする
ブランド品を身に付ける
憧れのキャラクターのコスプレ
9.昇華

昇華は満たすことの出来ずに溜まった不安や欲求を、社会的価値のあるものなどの別の形に転化してパワーを発揮する心理行動を指します。
例えば性欲や暴力など、犯罪に関わるような世間的に認められない欲望をそのまま発散せずに、仕事や勉強、スポーツ、芸術などの自己価値に繋がることで力を入れる人です。他人への嫉妬や恨みなどの変換も昇華に当たります。
昇華は防衛機制の中では最も成熟した心の形で、昇華できる人は強い精神力がある人なので、自分の強味になります。しかし、昇華行動を失敗をしてしまった場合、強い反動となって異常行動を起こす心配も懸念されます。
10.退行
退行とは強いストレスを感じた時に、幼い頃の精神状態に戻ってしまうような心理現象です。
▼退行の例
いい大人が泣きわめいて拗ねる
ケンカして部屋に閉じこもる、無言になる
爪を噛む・指をしゃぶる
強いプレッシャーを感じる人は退行しやすく、社長や教師など責任の強い人が該当します。裏では子供のように甘えだすなど周囲からは驚かれる行動をすることがあります。
まとめ
以上、心が不安から守る防衛機制という行動心理について紹介しました。
防衛機制は精神的に問題ある行動のようにも感じますが、誰もが自分を守るためにどれかを行っています。客観的な視野を持って意識してみると、防衛機制を行っている人が思い当たることでしょう。
自分自身の心の理解にも繋がります。是非、参考にしてみてください。
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最後までありがとうございました。



