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仕事を頑張っても報われない【学習性無力感】ニートが陥る心理

『学習性無力感』という心理状態を知っていますか?

 

私たちや動物は、行っていることや労力の成果が全く得られないとき、無力感を感じて諦めてしまいます。これは、身をもって体験したことが精神面に影響を与えていると心理学的に考えられています。 

 

これは自分にも起きている可能性の高い心理状態で、劣悪な職場環境や働く気力を失って精神疾患になってしまった人、ニートなどの心理にも関係してきます。

 

今回はこの『学習性無力感』が、具体的に起こる状況や心理的特徴などについて紹介していきます。

 

 

◆この記事を読んでもらいたい人◆ やる気が起きない

頑張っていることが報われない

頑張っているのに評価してもらえない

仕事をしたくない

仕事復帰することが怖い

無力感の原因を知りたい

ニートの心理学について知りたい

学習性無力感について知りたい

 

 

 

 

1.学習心理学の特徴

犬 しつけ

こんにちは、水島とうふです。(@tohumen090031)

 

いきなりですが、お利口なペットのわんこはいたずらをすれば怒られて、命令に従えばエサが貰えるということを分かっていますよね。

それはわんこがしつけの中で「学習」して身についたものです。人や動物には、今までの経験でどのよう結果になったのかを学習して脳が記憶する力があります。これは心理学では『学習心理学』という分野にあたります。

 

 

パブロフの犬(レスポンデント条件付け)

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ロシアの生理学者 パブロフによる「パブロフの犬」という心理実験があります。

 

 

実験内容

犬は餌をみせると唾液が分泌されます。
1.そこで餌を出すと同時に鈴を鳴らすことを習慣的に行います。


2.習慣づいたところで鈴だけを鳴らしてみます。

 

結果:犬は鈴を鳴らしただけで、餌がないのに唾液を分泌するようになりました。

 

餌を見ると唾液が出るような普通の反応に関係ない鈴を組み合わせると、鈴で唾液が出るようになります。これも条件付けという「学習心理学」です。

 

人もこのような条件付けは無意識のうちに行われていて、その例がルーティーンです。朝、起きてからのルーティーンを守らないとスッキリしないという人は、すでにルーティーン(条件付け)が染みついているのでしょう。

意識的にうまく使いこなせば、心を落ち着かせたい時に効果的なルーティーンも身に付けることが出来るようになります。

 

心を落ち着かせるルーティーンの例

深呼吸をする

白湯を飲む

5分間、外の景色を眺める

ストレッチやヨガをする

1分間、目を閉じる

好きな香ろをかぐ

胸に手を当てる

暖かいお風呂にゆっくり浸かる

今日のよかったことを3つ思い出す

ゆったりした音楽を聴く

 

 

※緊張や心が落ち着かないことに悩んでいる方はこちらも参考にしてください

www.tohumen.com

 

 

 

また、

◆平日の朝は必ず具合が悪くなる。
◆『サザエさん』を見る(日曜の夜になる)と憂鬱になってくる

というのも条件付けが良くない方向に働いているからの場合もあります。

 

 

働くとお金がもらえる(オペラント条件付け)

間接的 お金

パブロフの犬の唾液は無意識的な反応ですが、お手をすれば餌がもらえるというのは意識的な行動です。

 

レスポンデント条件付け ⇔ オペラント条件付け
       無意識  ⇔  意識的

 

「仕事をしたら給料がもらえるから努力する」というのも一種の学習心理です。

一方で努力に見合った成果が得られないとなると、無力さを感じ、行動しなくなってしまうことがあります。これも「学習」の心理です。

 

 

2.仕事における学習性無力感

セリグマンの実験

学習性無力感とは、「何をやっても無駄だ」と感じることで、努力をやめてしまう心理状態のことです。 

 

セリグマンによる学習性無力感の実験を紹介します。犬に電気ショックを与え、逃避能力をみる実験です。今では倫理的にアウトでしょうね。

 

◆実験1

3グループに分けた犬たちを脱出できない小部屋に置きます。

◆1群
電気ショックを与えるが、近くのボタンを押せば止まる。

◆2群
電気ショックを与えるが、どんな行動をしても止まらない。

◆3群
電気ショックを与えない。

 

続いて実験2を行いました

◆実験2

◆仕切りで2つに区切られた部屋に通します。

ランプが点灯した側の部屋だけ電気ショックがきます

 

結果は以下のようになりました。

◆結果

1群3群の犬は、ランプが点灯したら電気の来ない部屋へ逃げました。

2群の犬は部屋を移動しようとせず、電気ショックを受け続けました。

 

2郡の犬はどんなボタンを押しても電気から逃げられないという経験から、逃げることを諦めてしまいました。過去の経験から無意味さを覚えてしまうと可能性を諦めてしまうという実験です。

 



ちなみにに同じ実験した場合は同じ結果にはならず、2郡の無力感を感じる状況下でも回避の仕方を学習する人がいたという結果でした。知能による差が結果に影響することも考えられます。

 

仕事の場面では、以下のような例が学習性無力感です。

◆改善をして資料を再提出しても上司から理不尽なダメ出しを受け続ける。

◆努力して業績を上げたのに、一向に給料も評価も変わらない

◆仕事を早く終わらせても評価されず、空いた時間でさらに仕事が増えた

 

成功経験が得られないことが続くと「もう頑張るだけ無駄」という思考になり、モチベーションの低下メンタル不調に繋がります。


 

ニートの心理

ニート 学習性無力感

この学習的無力感が関連していると考えられているのがニートの心理です。

 

ニート(働けるのに働く気がない人)として過ごす人々は始めから働き気がない訳ではありません。

就職活動で採用試験に落ち続けたり、社会で成功体験が少なく自信を失ってしまったりした結果、「自分は努力をしても認めてもらえない」という思考に陥りやすくなります。その結果、仕事や対人関係が極度のトラウマになり、新たな就職や外出することさえを諦めてしまいニートなってしまうことが考えられます。

 

中には理不尽な環境下や不得意な精神状態におかれ続け、能力はあるにも関わらずニートになってしまう人も存在します。

 

「成果を得られないことに努力しなくなる」という心理も学習心理学の1つです。

 

 

 

まとめ

以上、学習心理学、学習性無力感について紹介しました。


心理学的に『学習性無力感』といわれるものは、人や動物にとって普通の心理状態です。認められない環境下では自己肯定感もモチベーションも下がっていくのは当然の結果であるとも言えます。

いくら頑張っても報われない環境で働いている場合は、いっそ転職をしてみることも自分の環境を好転させるチャンスかもしれません。

 

自分だけが出来の悪い人間なのだと落ち込む必要はないと、考えることができればなのだと客観視できれば状況を脱するヒントになるかもしれませんね。

 


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