仕事にモチベーションを出すためには「やりがい」の有無が作業効率に関わってくることはよく聞く話だが、実際にやりがいを感じて仕事をしている人はほとんどいないと思う。
将来の可能性の拡がっているはずの10代や20代の世代ほど、理想の仕事イメージとの違いを思い知って仕事熱を失ってしまう人も恐らく多い。
一度社会の現実を知ってしまうと「やりがいのある仕事」をアピールしている企業をみると憧れよりも拒絶反応を起こす。
少なくとも私は「仕事が生きがい」な生き方は到底真似できない。
嫌悪感の原因が職場環境や内容ではなく、「仕事」という行為そのものが嫌で仕方がないと思っているならば、興味ややりがいを重視して仕事を探しても時間の無駄なので考え方を変えていくべきなのだ。
今回は、仕事にやりがいを感じられない人にとっての働く意味について考えていきます。
今の仕事を辞めたい理由を明確にしておく
豆腐メンタルのとふめんです。 (@tohumen090031)
好きな仕事をしていたとしても、仕事に対して嫌気を感じることは必ずある。好きなことばかりが仕事ではないし、思い通りにならないこともあるし、人間関係によって壊されることもある。
その嫌気が大きくなった時には当然、モチベーションは下がり、「辞めたい」という思いも出てくる。
そこで辞める決断をする場合に、自分が仕事に対してどんな不満を持っているかをはっきりさせておかないと仕事を変えたところで、また同じ状況に陥ってしまう。
つまり今の仕事を辞めたい理由と、転職を考えて次の仕事に対して求めている目的が噛み合っていない人。本当は考えを整理し直した方が良いのだけれど、そんなことを考えている人は大抵は精神的に追い詰められている状況下ということもあって冷静に判断することが出来ない。
将来的なことを考える前に現状の何が嫌なのかを具体的にしていく必要がある。
仕事嫌いになる原因
もし仕事が嫌いになる理由が職場の人間関係や居心地の悪さ、仕事内容に対しての不満なら転職をすることで、環境が改善される可能性がある。しかし、嫌気が差している原因が「仕事をすること」なら、仕事環境を変えたところで何の解決にもならない。
仕事は一日の生活の中で1番費やす時間が多いので、仕事を楽しい時間だと意識転換できれば問題はなくなるが、それでも仕事を一番優先とする考え方を絶対にできない人は沢山存在する。
仕事以外の理由で感じる苦痛
1.「人間関係が良くない」
2.「待遇が悪い」
3.「仕事が過酷」
4.「経営方針に不満」
5.「環境の変化」
仕事は自分に合ったことを見つけることができれば成功する、といった単純なことではない。仕事内容ではなく、間接的に起こる影響によって苦痛を感じてしまい、好きな仕事なのに辞めたくなる。ということの方が多いかもしれない。
しかし、仕事以外の理由で不満を抱えている場合は「変えられる環境」であるということでもある。これは行動に移せば、仕事嫌いになっている現状を変えられる可能性がある。
1.人間関係が良くない
転職を考える人の本音の理由で一番多いのが人間関係。この理由でストレスを抱えて鬱になってしまう人もかなり多い。
パワハラ・セクハラを受けている。高圧的な上司に怯えている。部下に舐められる。無視をされる。陰口を叩かれる。コミュニケーションが取れない。対応がうざい。など、人間関係が原因で仕事が嫌になることは山ほどある。
どの環境にいても問題はあるものだが、人間関係は転職をすれば一度リセットできる。転職をするリスクはいろいろ考えるかもしれないが、嫌いな職場で続けることにもリスクはある。ストレスで身体を壊すくらいなら転職は考えるべき。
2.待遇が悪い
例えば給料が低い、残業代が出ないなどの不満は、仕事ではなく「会社」に対する不満だ。仕事が好きでも待遇が悪いとモチベーションも下がる。この場合は同業で転職を探してみるの一つの方法かもしれない。
3.仕事が過酷
仕事内容は好きでも忙しさの度が過ぎると身体も壊れるし病んでしまうこともある。20連勤とか月の残業200時間超えとかは何の自慢にもならない、必ずいつか自分がおかしくなる。仕事量が原因で仕事が嫌いになりそうなら、一度職場に相談してみる。相談も出来ない雰囲気の職場だったり、話しても状況が変わらないのなら早く転職を考えるべき。
4.経営方針に不満
会社は組織である以上、組織内のやり方や考え方が存在する。ときには自分の納得のいかない方法で仕事をしなきゃいけないこともある。これは上の立場の人間に大きく影響される。方針を決めているトップが変われば環境も変わる。環境を変える方法は、上の人間が後退するまで耐えるか自分が辞めて他へ行くかのどちらか。
5.環境の変化
仕事を続けて年を重ねていけば自分の考え方は変わっていくもの。例えば結婚したり子供ができたり、あるいは離婚したりなど環境が変わると仕事への考え方も変化してしまうことがある。好きで真剣に続けてきた仕事でも急に熱意がなくなるということもある。
今の仕事に対して意味を感じられなくなった、他に優先するべきことができたという変化を自覚したときには新しい環境に移るタイミングなのかもしれない。
「仕事そのもの」に苦痛を感じる要因
1.「責任の重圧」
2.「長時間の拘束」
3.「コミュニケーション」
4.「内容や技術を学ぶ努力」
5.「やりがいを感じられない」
人間関係や職場への不満は場所を変えることで改善される余地があるので転職も一つの方法だと紹介した。
しかし、勤めている職場や環境に問題があるのではなく、仕事という行為そのものに苦痛を感じている場合は転職を考えない方が良い。環境を変えたところで解決する問題ではないので、意識を変えていくしかない。
1.責任の重圧
仕事に責任を持てないという人に出来る仕事はない。
仕事は「他人の需要に答える」ということ。どんな仕事であれミスをすれば迷惑が掛かるし、成功すれば喜ばれる。周囲に影響を与えるということは責任が付いて回る。責任の重さの程度はあってもプレッシャー皆無な仕事なんてない。
2.長時間の拘束
時間に捉われた仕事に抵抗を持つ人も転職に向かない。会社員は基本8時間勤務で決まられた時間で仕事を行う。最近ではフレックスタイム制などの出社時間に自由が利く企業もあるが、勤務時間的には変わらない。
自営業は自分の店だから自由度が高そう、という誤解があるが自営業なんてダイレクトに経営に影響してくるので会社員よりも仕事に縛られた生活をすることになる。YouTuberやブロガーこそ勤務時間に縛りはないが、常にネタを考え続けなきゃいけないので休みなんてないようなもの。
3.コミュニケーション
コミュニケーションが苦手だからといって、人と関わらない仕事を探そうとしても見つからない。業種によっては人と接する機会が少ない仕事や大人しい職場もあるが、コミュ障がコミュニケーションの少ない職場に合うかはまた別の問題。
大人しすぎる職場だと、仕事に必要なコミュニケーションも取れていない体制が崩壊もあるので余計に面倒に感じる場合もある。
4.スキルを身に付ける努力
努力が苦手だから覚えることが少ない職場を探しているという人は、多分、転職を考えても状況が良くなることはない。むしろ転職は余計に自分を苦しめる。
転職をするということは新しく知識を身に付けることが多くなるので、努力が苦手なら今の仕事を継続してスキルを磨いていた方が絶対楽。
5.やりがいを感じられない
仕事にやりがいを感じている人はキラキラしているし、楽しく生きていそうに見える。
苦労に勝るくらいのモチベーションが上がる「プラス要因」があれば仕事に楽しさを感じるかもしれないが、なかなか見つかるものでもない。
転職をしても失敗する人の原因は、自分にとっての「プラス要因」が曖昧なまま次の仕事に就いてしまい、再び「仕事」に対しての不満が溜まってしまうところにある。
そもそも「仕事をすること」が嫌いな人に仕事の楽しさを見つけろ、ということは無理難題なことだった。
だったらいっそ開き直って「仕事は嫌なもの」と割り切ってしまえば仕事との向き合い方を変えられるかも知れない。
働く意味を見つけて嫌いな仕事を続けていく
最初から「仕事は嫌なもの」と決めつけてしまえば、無理やり面白味を見つける必要がなくなる。
仕事内容や働きやすさどうこうよりも
「仕事以外の一番大事にしたいもの」を得る目的に合わせていけば、
今いる職場や転職に失敗を感じていた人は意外な道が開けるかもしれない。
1.時間
土日完全週休2日制
残業の少ない職場
休暇が取りやすい職場
デメリット:給料が低い?
2.お金
実力主義
歩合制
ボーナスや手当が多い職場
デメリット:ライバル意識の高い激務な職場環境
3.安定
福利厚生が充実している職場
経営状況が安定している
倒産、リストラの心配がない
デメリット:仕事内容が面白くなくても続けられるか
あれもこれもと良いとこどりは都合の良い話で、よっぽどの自分のポテンシャルと優良企業に出会わなければそんな環境はまずあり得ない。
自分にとっての重要な要素を満たす代わりに別の要素で帳尻合わせの減点部分があることは受け入れる必要がある。
例え仕事内容が面白くなくても、自分にとって一番重要視している目的が満たされるなら仕事を変える意味はあるかもしれない。
今の仕事について悩んでいる場合は、「自分が一番大事にしたい事」について考えて整理してみることをおすすめします。
仕事の悩み関連記事はこちら
ありがとうございました