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【一万円選書】カルテが必要な本屋さん【頑張る勇気を与えるおすすめ本】

北海道の小さな町にある本屋さん「いわた書店」

今回は、そこの店主である岩田さんが執筆した本
『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』を紹介します。

 

今では全国から注文が殺到するいわた書店の歴史や、本を売る立場としての想いが綴られています。
話題となった一万円選書サービスや選書カルテの役割についても紹介します。

 

◆この記事を読んでもらいたい人◆ 読書が好き

本が好き

新しい価値観を取り入れたい

一万円選書サービスに興味がある

自分を見つめなおしたい

他人のために働きたいという気持ちがある

面白い本を知りたい






一万円選書で話題の「いわた書店」

いわた書店 本屋

北海道砂川市という小さな町に小さな本屋があります。

その本屋は「いわた書店」

 

この田舎の小さな本屋さんには全国のお客さんから本の注文が殺到します。

その理由は「一万円選書」というサービスです。

 

一万円選書サービスとは、注文が来たお客さん個々に店主の岩田さんが選んだ一万円分の本を送る。というサービスです。

 

2018年には「プロフェッショナル仕事の流儀」でも取り上げられたり、ツイッターで話題となったりしたことから、読書ファンに注目されるようになりました。

 

そんないわた書店の店主、岩田徹さんが
『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』を執筆しました。

一万円選書

 

今回は、「一万円選書」という本についての感想を紹介していきます。

 

内容は、いわた書店や一万円選書が始まった歴史、岩田さんがおすすめする本、一万円選書について、選書カルテの役割、本屋としての想いなどが語られています。


岩田さん自身の、本への愛情が伝わってくる一冊です。



「一万円選書」という本を読み終えて感じたのは、もの珍しいサービスで話題になった本屋なのかと思いきや、本当の人気の理由は「選書カルテ」にあるのではないかと思いました。

 

 

選書カルテが持つ大きな役割

一万円選書 カルテ

もしかするといわた書店の本は、日本で一番買うことが大変な本なのかもしれません。

 

なぜかというと、一万円選書サービスを利用するには「選書カルテ」が必要だからです。

選書カルテとは、岩田さんが本を選ぶ時のヒントにする「あなたのことについて教えて下さい」というアンケートです。

 

 

この選書カルテの方が、一万円分の本よりも価値のあるものなのかもしれない。とも感じてしまいました。

 

ただ本に詳しい店主さんが面白い本をおすすめする「一万円選書」では、ここまで話題にならなかったと思います。

3000人が注文待ちする人気の秘密が「選書カルテ」にある気がします。



選書カルテの質問内容を一部紹介します。

◆これまでに読んだ本の中で印象に残ったBEST20を教えて下さい。

◆仕事の内容や嬉しかったこと、苦しかったことを教えて下さい。

◆選書のために参考になるような、あなたのことを教えて下さい。

◆何歳のときの自分が好きですか。

◆これだけはしないと心に決めていることはありますか。

◆あなたにとって幸福とは何ですか。

◆その他何でも結構なので教えて下さい。

 

見ての通り、いわた書店の選書カルテはさらさらと書き終えることのできるアンケートではありません。

 

自分の過去を思い起こし、自分の心と向き合わなければ答えが出ないような質問ばかりです。

 

この作業が凄く大変でもあり、自分を見つめなおすきっかけにもなる作業になります。


就職活動の履歴書と比べるのも変ですが、志望動機や自己PRを考えることに苦労した記憶がある方も多いのではないかと思います。

自分のことは皆分かっているようで、意外と分かっていないものです。

時間を掛けて記憶を掘り起こし、自分の性格を客観視し、本当の気持ちに素直になると、知らない自分の内面を見ることできます。

自己分析をして文章にする作業は、神経がすり減り、とても時間が掛かります。

 

実際に「選書カルテ」に1ヵ月掛かった方や、書いている途中に涙を流しながら書いたという方もいたようです。

 

選書カルテを書き終えるには、それだけ熱い想いと手間が掛かります。

そのカルテの返事が、一万円分の本となって送られてきます。

届いた本は金額の価値以上のものとなって自分に返ってきます。

 

 

 

本屋としての想い

本屋 想い

「一万円選書」の本を読んでいくと、岩田さんの本への愛情や、読者を大切にする気持ちが伝わります。

 

いわた書店は午後3時から午後5時まで一時閉店します。

まるでカフェのような営業スタイルですが、これには理由があります。

 

営業しない時間をあえて作り、この時間を「一万円選書」に使います。

選書だけに集中して、一人一人のカルテと向き合います。


真剣にカルテを書いてくれた方に対し、岩田さんも真剣に本を選ぶ時間としています。

 

 

知らない本と出合える

いわた書店 本

いわた書店の一万円選書サービスの魅力は、幅広いジャンルの本から選書されるので、新しい発見や出会いが多いという所もあります。

 

岩田さんは小説やビジネス書だけではなく、エッセイ、写真集、詩集、歴史書、ノンフィクション、海外本など、幅広い本から選書を行っています。

もちろん岩田さん本人が読んできた本です。

最新や話題の本ではなく、岩田さんが今まで読んでおすすめしたいと思った本という所にもいわた書店ならではの価値が生まれている気がします。

 

自分では選ばない、今まで読んだことのない本と出合う機会があるという楽しみがあります。
そして、「なぜ岩田さんは私にこの本を選んだのだろう」という想像も働かせてくれます。


その答えもまた、岩田さんの本の中に書いてあります。

 



「一万円選書」の本を読み進めていくと分かりますが、岩田さんの信念は本で稼ぎたいという気持ちよりも、良い本を多くの方に読んで欲しいという想いがあります。

 

だから一万円選書サービスを他店が真似しても構わないという姿勢でいるし、実際にサービスを始めた書店もいくつかあります。

 

それでもいわた書店への注文は減ることがありません。

 

身を削って書いた「選書カルテ」、それに対して本を愛する「岩田さんが選ぶ」という価値が付加されているので、他にはないいわた書店の一万円選書サービスとしての魅力になっているのだと感じました。

 

一万円選書で送られてくる本は、単に面白い本だけではありません。

新しい価値に気付かせてくれる本、悩みが多い人生の深呼吸になる本、生き方を教えてくれる刺激となる本なのかもしれません。

 

これは「選書カルテ」で自分と向き合った人だけが感じることの出来る気付き、なのだと思います。





 

以上、一万円選書サービスで話題の「いわた書店」店主、岩田徹さんの本
『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』を紹介しました。

 

 

岩田さんと本のきっかけ、潰れかけたいわた書店の過去、選書カルテを通じての岩田さんとお客さんとのやりとりなども書かれていて、胸が熱くなる内容もあります。

 


興味が沸いた方は是非、読んでみて下さい。

 




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