失業時に貰える「失業手当」や「再就職手当」という制度をご存知ですか?
失業手当は仕事を辞めてから次の就職先が見つかるまでの就職活動期間に支給される手当、再就職手当は次の就職先が決まったときに支払われる手当です。
手当額は、以前働いていた勤務先の約2~3か月分がトータルで支給されることになるので、なかなか馬鹿にできない金額です。
失業手当を貰うにはいくつかの条件があります。例えば、ハローワークを利用した就職活動中であること、月に数回の就職活動実績が必要、専業主婦ではないなどが条件として決められています。
自主退職をして初めてハローワークを利用することになった方などは申請手続きや手当支給までの流れが分からない方もいると思います。
今回は、私が実際に経験したハローワーク帯広で申請から手当を貰えるまでの流れを元に、失業手当や再就職手当の違い、手当を貰うまでに必要な手続きなどを紹介していきます。
失業手当ってどんなしくみ?
豆腐メンタルのとふめんです。(@tohumen090031)
自己都合退職やリストラにより途中で会社を退職することになった場合に、保険の適用によりお金が貰えるしくみがあります。それが失業保険(失業手当)です。
どういう制度かというと、仕事が決まっていなくて働いていない人達に支払われる手当です。働いている人達からすると「え?それちょっとどうなの?」と思われそうな制度ですね。
失業手当は、どういう目的で働いていない人達に支給されるのでしょうか。
▼失業手当給付の目的
1.再就職までの支援金として
2.失業者増加の抑制
3.職業能力向上期間の支援
失業手当は要するに、「次の仕事を見つけるまでの生活費を支援しますよ」
「理由あってすぐに働くことが出来ない人を金銭的に支援します」という制度です。
失業保険は生活困難になる失業者を増やさないための措置で、「失業期間の資金を支援するので頑張って早く仕事を見つけて下さいね」という意味合いの手当です。
「失業保険」と「雇用保険」の違い
会社に勤めていると、「失業保険」「雇用保険」という項目で毎月給料から引かれている項目があると思います。
失業保険と雇用保険って何が違うの?
「失業保険」も「雇用保険」も同じ意味と捉えて問題ないです。
失業手当は、会社で「失業保険」「雇用保険」を納めている人しかもらえない制度です。
基本的に会社に勤めている方は義務的に納めているものなので、私だけ納めていないということはないと思われます。
▼同じ意味として使われている用語
失業手当 = 失業給付金
ハローワーク = 公共職業安定所
雇用保険 = 失業保険
ハローワークで失業手当を貰うための手続き
失業手当を貰うためには、失業後にハローワークで申請手続きを行わなければなりません。
会社を退職して失業状態になると、役場で国民年金や健康保険の切り替え手続きと合わせてハローワークで失業保険の手続きも行うことになると思います。
▼年金・健康保険の切り替え手続きの詳細はこちら
年金、健康保険の切り替え手続きは義務ですが、失業保険の申請は任意です。失業手当を貰わないという選択もできます。
初めてハローワークを利用される方は、求職登録する所から始まります。
会社都合退職(リストラ、推奨退職など)は申請から1ヵ月弱で失業手当が貰えますが、自己都合退職の場合は受給まで約2ヵ月から3ヵ月の期間が空きます。
自己都合退職の場合は、受給までに失業手当受給申請、説明会出席、受給資格審査、求職活動などを行わなければならないという条件があります。
あくまでも仕事を探している人に対しての手当なので、就職活動実績が審査されます。
▼失業手当を貰うまでの流れ(自己都合退職の場合)
1.ハローワークの求職登録
2.待期期間(2週間)
3.雇用保険説明会(ハローワークが指定する日)
4.規定回数以上の求職活動
5.認定日の出席
6.給付制限期間終了(待期期間から2か月)
7.失業手当受給条件を満たしている
・失業手当を受給
以上がおおまかな受給までの流れです。
自己都合退職の場合は貰えるまでに数か月の期間があります。そしてどれか一つでも条件を満たしていないと失業手当は貰えないので、日程を忘れることのないように注意が必要です。
失業手当の受給対象外となる人
失業手当は仕事をしていない人の誰でもが貰える手当ではありません。
目的は「求職活動者の支援」なので、働く意思がない人、病気や出産で働ける状態ではない人、すでに就職先が決まっている人、起業する人などに該当する人は失業手当を受給することは出来ません。
▼失業手当が貰えない人の一例
1.病気やケガで働ける状態ではない
2.妊娠、出産、育児による休職
※出産や育児が落ち着いた後に求職する場合、失業手当受給期間の延長が可能
3.親族の介護を理由に休職する場合
4.就職活動を行っていない人
5.専業主婦(主夫)
6.自営業、家業またはその手伝いをする予定の人
7.会社役員として仕事している人
8.就職先が決まっている、または研修期間や試用期間中である人
9.在学中の人
上記条件に該当するかどうかはハローワークにて審査が行われます。
失業手当額はどれくらい貰えるの?
失業保険の給付額は前職の6ヵ月分の給料を基に計算されます。
基本的に前職の給料が高く、在職年数が長い方が失業手当額も高くなる傾向があります。
条件によって手当額はそれぞれですが、合計額は前職の2ヵ月~3か月弱分くらいになると思われます。
給料年齢、前職収入、給付率から自分でもおおよそ計算することは出来ますが、ハローワークで申請手続きを行うと1日当たりの支給額が分かります。
失業手当の給付日数とは
失業手当は1日当たりの金額が計算され、既定の日数の期間分(給付日数)が徐々に支給されていきます。
給付日数は、退職理由や在職期間により決まります。
失業手当は日額なので給付日数が長いほど多く受け取れることになります。
▼自己都合退職の場合の給付日数
【前職の在職期間】 【給付日数】
◆10年未満 90日
◆10年以上20年未満 120日
◆20年以上 150日
例えば在職期間が5年の場合、給付日数は90日です。
自己都合退職か会社都合退職で条件は変わります。倒産や解雇のような場合は給付日数期間も長くなる傾向があります。
失業手当と再就職手当の違い
失業手当貰える期間中に就職が決まると、それ以降の失業手当は貰える資格は失います。
受給資格が喪失した分の失業手当は「再就職手当」という形で受け取ることが出来ます。
ただし、手当額は失業手当額の6~7割分になります。
ハローワークからの就職祝いのようなイメージでしょうか。
転職サイトを利用する場合の注意点
転職サイトによる就職活動や内定は「許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介」という失業手当の条件満たさない可能性があります。
再就職手当を貰うにはハローワークを通した形で申請する必要があります。
転職サイトを利用する場合も、ハローワークにて条件を満たすか相談することをおすすめします。
ハローワーク帯広で失業保険の受給申請
ここからは私(とふめん)がハローワーク帯広で体験した、失業手当受給の申請手続きを例に流れを紹介していきます。
失業手当の申請方法で困ったらハローワークへ行こう
【求職者情報】
氏名: とふめん(仮)
年齢: 27歳
前職労働期間: 正社員6年弱
退職時期: 12月末退職
退職理由: 自己都合退職(一身上の都合)
ハローワーク申込日:1月10日
1.初めてのハローワークで求職登録申込
ハローワーク帯広に初めて出向きました。
受付にて「初めてです」と伝えると話が早いです。
失業保険給付の申請手続きをするためには、「ハローワークで仕事を探します」という求職登録を行わなければなりません。
ハローワークは混んでいることが多いので呼ばれるまで30分から1時間の待ち時間は覚悟しておきましょう。
順番が呼ばれると窓口にて応対しながら登録手続きが進みます。
窓口の対応には当たりはずれがあるようです。私の時は割と親切な方でした。
提出書類を用意して求職申込書に記入して個人情報を登録をします。
経歴や希望就職先、就職条件も登録するので1時間ほどかかります。
2.1週間の待機期間
ハローワークでも必ず説明される内容です。
待期期間とは、求職登録してから「どこかで仕事をしていません」ということを証明する期間のようなものです。
失業手当を貰う条件として、失業を証明する期間が必要です。就職活動により内定をもらうことも禁止されます。短期アルバイトも禁止です。
私の場合
▼1月10日~1月16日の7日間が待期期間
3.給付制限期間
自己都合退職の場合は求職申込日から3ヵ月(令和2年10月から2か月に変更)経たないと失業手当を貰うことが出来ません。
この手当の当たらない期間を「給付制限期間」と言います。
待機期間と合わせて3か月と1週間後にようやく受給条件が満たされます。
私の場合
▼4月17日から失業手当を受給できる
※上記の日までに3回の求職活動を行う必要があります。
給付制限期間中に行うべきことが3つあると説明されます。
それは雇用保険説明会への出席、認定日の出席、求職活動です。
条件を満たすために必ず行わなければならない内容なので、ハローワークで失業手当受給申請した時に丁寧に説明されます。
4.雇用保険説明会
失業手当受給申請時に、ハローワークから雇用保険説明会日程の案内があります。
あなたは「〇月〇日に来てください」と説明を受けます。
そこで今回紹介しているような保険内容の説明、ハローワークの利用の仕方、手続きなどの説明があります。
私の場合
1月24日
各市町村でそれぞれ日程が決まっています。
3時間ほどのビデオを交えた説明会を受けます。
昭和感漂う教育ビデオが上映されます。
雇用保険説明会は1回分の求職活動としてカウントされます。
5.初回認定日
失業手当を貰うには認定日にハローワークへ行く必要があります。
認定日とは、条件を満たすために失業状態を申告する日です。
面倒くさいですが必ず行かないと失業手当は受け取れません。
認定日も自分の行く日と時間帯が伝えられます。
認定日は混雑するので遅れないように気を付けましょう。
例 2月6日の10時30分~11時00分に出席
6.求職活動とされるもの
私の場合は雇用保険説明会を合わせた3回の求職活動が必要でした。
ハローワークの窓口へ出向いて相談員と面談することで求職活動1回分がカウントされます。
開催されている就職セミナーの出席や就職面接もカウントの対象となります。
例 希望条件と職種の求人応募の紹介を受ける
※ハローワークに設置してあるパソコンで探しても求職活動としてカウントしてもらえます。
例 面接を受けたい求人票を持って紹介状を作成してもらう
条件を全て満たすとようやく給付制限の終了後に失業手当が振り込まれます。
これが失業者の基本的な受給までの流れでした。
以上、失業手当と再就職手当の特徴や受給までの流れについて紹介しました。
役に立てる情報があれば参考にしてみてください。
参考にさせていただいた資料はこちら
雇用保険の失業等給付需給資格者のしおり
ハローワーク 厚生労働省北海道労働局職業安定部職業安定課
退職手続き関連記事はこちら
ありがとうございました。