社会の中で生活をする以上、必ず規則が存在します。
規則は人が理性を保つためのものであり、それによって私たちは犯罪や事件から守られています。
犯罪とは、単純に悪意をもって犯罪を犯すだけではなく、事故によって故意でなくても罪を負う場合や、無意識的、本能的に起こしてしまう場合、または犯罪と理解できない人などもいます。
精神障害者や、判断能力に異常を持った人にとって規則や感情など通常の感覚が理解できない場合があります。
今回は、犯罪心理学として犯罪を犯す人の心理と犯罪から身を守るための防犯対策を探っていきます。
犯罪心理学とは
豆腐メンタルのとふめんです。(@tohumen090031)
犯罪心理学とは、犯罪が起こる環境での加害者、被害者それぞれの心理を分析して原因などを研究していく分野です。
犯罪抑止に繋がったり、被害者の防犯対策などに役立ちます。
犯罪心理学が具体的にどういう内容なのか、いくつか紹介していきます。
1.犯罪者は人相に表れる?
100年以上昔の話になりますが、イタリアのC.ロンブローソが行った研究に「生来性犯罪人学」という説があります。
犯罪者をかなり偏った見方をする考え方がありました。
どういうものかというと、以下のような内容です。
「犯罪者の身体には共通の特徴がある」
「犯罪者は人と猿の中間の存在である」
つまり犯罪を犯す存在は、遺伝子や構造的に「人間とは別の生物」であるという考え方です。
実際、この考え方は間違っていて批判もかなり生まれたようですが、犯罪心理についての研究を進める功績を残したと評価もされています。
確かに、人は目つきや身だしなみ、態度など、「人相」は人の性格を表すことがあります。直観的に「この人とは気が合いそう」「なんだか恐そう」「この人は苦手」などと感じ取ることがあると思います。
その人の人柄を知るヒントにはなるかも知れませんが、犯罪者を見抜く証拠とまではならないので外見で犯罪者を特定することはできないです。
2.捜査心理学
事件を起こして逃走している犯人を捜すときには、犯人が次にどういった行動をするのか、どこへ逃げるのかなど、推測したりする分野を「捜査心理学」といいます。
犯行内容から年齢、性別、職業などを推理することもある探偵のような仕事です。
立てこもり犯の説得など、相手のことを慎重に観察できる能力が必要とされる責任の思い役割です。
3.裁判心理学
裁判の弁論には問題について細かい状況や心理状態などを説明することが求められます。裁判に関わる心理学で多くの研究が行われているのは、証言の信憑性についてです。
人は記憶は自分が想像している以上にいい加減なものです。
実際見た光景が、その時の恐怖や怒りなどの感情が影響して脳内で勝手に書き換えられることもあります。
事実とは異なる出来事を記憶してしまっていることもあります。
すると、当事者は無自覚に嘘や間違った話をしてしまったり、質問者の偏った問いかけによる誘導によって答えが変わることがあります。
重要な証拠として用いられる証言は、なかなか欠陥が多いという事実が裁判心理学における難しさです。
その場の感情による偏った意見、発言に嘘がないかを冷静に判断して善悪や正当性を分析することも心理学を仕事にする人の役割となる難しさがあります。
4.矯正・更生保護心理学
「矯正・更生保護心理学」とは犯罪者の倫理性や常識から外れた心理と向き合って
矯正やカウンセリングを用いて社会復帰させるための研究をしています。
臨床心理士の資格を持った方などが、主にカウンセリングや心理療法を用いてメンタルケアをしながら更生へと導いている仕事です。
5.被害者のメンタルケア
犯罪には加害者と被害者が存在します。
加害者の矯正・更生を焦点をあてた心理学と、犯罪に巻き込まれて精神障害に陥った被害者の心理学それぞれの考え方が研究されています。
なかなかスポットに当たることはないので分からないですが、
住んでいる町でも犯罪が起きているということは
同じ数以上に精神的に傷を負った人たちもいるということです。
その数だけメンタルケアの仕事が必要とされています。
「犯罪を題材にした作品を作るためには、その為には犯罪者の考えと被害者の考え、
どちらの心理も正確に読み取らないとリアルな作品は完成しない。」
著 流石 景 『ドメスティックな彼女』
お互いの視点で心理を考えてみることで分かってくることもあるようですね。
6.子供を守る防犯心理学
「防犯心理学」とは、犯罪を防ぐためにはどのように環境を変えていけば良いのか、犯罪が起こらない環境作りを研究しています。
空き屋の多い街は窃盗や空き巣の犯罪が多いという統計があります。
これを逆手に考えると空き家を減らすと治安が良くなるという結果に結びつきます。
綺麗に整備された公園や、街路時の木々や庭にお洒落な園芸が施されている街は凶悪犯罪が少ないというデータもあるようです。
このような取り組みが力や防犯能力の低い子供が街中で犯罪に巻き込まれる危険性を減らせる、という焦点を当てた活動に繋がります。
防犯心理学は、子供が犯罪に巻き込まれないための対策や教育方法なども研究されています。
犯罪心理学から考える防犯対策
犯罪者視点から心理について考えてみると、どんなことをすると防犯対策に繋がるのかが分かることがあります。
ちょっとした工夫で自分の身を犯罪から守る方法とはどんな方法があるのでしょうか。
1.ガーデニング
家の庭を管理することで防犯対策になると考えられています。
ガーデニングを行うと家の周りも綺麗に見え、自然と通りかかる人の目を引くようになります。
すると「この家は庭周りまで管理が行き届いている」という印象を持たせるので空き巣犯のターゲットから外れやすくなる、という理屈です。
2.地域ネットワーク作り
子どもが犯罪に巻き込まれないための防犯対策として有効なことが、地域のネットワーク作りです。
家の周りの人々と日頃からコミュニケーションをとっておくと、顔見知りの関係性ができます。
人の心理として、面識のない人よりも知人を優先して助けようとする傾向があります。顔見知りの関係性があれば、いざという時に助けてもらいやすい、子供自身も助けを求める逃げ場とすることができます。
ただ、最近では近所の方が怪しい人という可能性もあり得ます。店の人と顔見知りの関係性を作る程度が安全なのかもしれません。
以上、犯罪心理学の内容や活躍する分野、防犯対策に役立つ知識などを紹介しました。
犯罪者側の心理を知ることを自分の防犯に繋がることもあります。
興味がありましたら参考にしてみて下さい。
心理学・精神疾患関連記事はこちら
ありがとうございました