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人は溢れる情報量や人間関係に、多大なストレスも感じることがあります。
そんないくつものストレスを全て受け止めていては、いつかメンタルが壊れてしまいます。ですが私たちは、そう簡単に壊れてしまわないように無意識的に「防衛機制」というストレスから自分を守る行動をとっています。
「防衛機制」には逃避や別のことで昇華するといったような10種類の心理行動があります。
防衛機制の行動をチェックしてみていくつも思い当たる節のある方は、ヘルスメンタルケア(自分の心を癒してあげること)が必要なときかもしれません。
今回はストレスから守るための無自覚行動「防衛機制」について紹介していきます。
心をストレスから守る防衛機制10例
豆腐メンタルのとふめんです。(@tohumen090031)
例えば仕事が忙しかったり失敗したり、人間関係がこじれたり、人前で恥を掻いたりするようなことがあると、心が傷ついて精神的ストレスが溜まります。
その負担を解消しよう、あるいはストレスを受ける前に自分を守ろう、という無意識な心の働きを「防衛機制」といいます。
この防衛機制の行動にはいくつもの種類があります。
逆に言えば、自分で「この行動やっているな」という自覚があればストレスから身を守ろうとしている証拠です。
防衛機制の行動を知ることでちょっとしたセルフメンタルチェックになります。
具体的にどのような行動が防衛機制なのか紹介していきます。
1.「知性化」インテリぶりたい
「知性化」の特徴は、会話でわざと難しい言葉や専門用語を多用して理解しにくい表現をすることがあります。
他には周りが分からないようなマニアックな分野が好きな場合があります。
このタイプは、感情的な表現や欲望を表に出すことは苦手な性格の人に多いです。
「知性化」は無知な自分やコミュニケーションが苦手というコンプレックスの裏返しの可能性もあります。
バカだと思われたくない、感情を素直に伝えることが苦手、感情をむき出しにすることを恥だと思っている人などは知性化に該当するかもしれません。
2.「抑圧」感情を無にする
「抑圧」は自分が不安や葛藤している感情を無意識に忘れさせようとしたり、心から排除しようとする行動です。
嫌な記憶や不安を思い起こさせる間接的な物事が記憶にない、ということもあります。
▼抑圧の例
少年A「少年B、〇〇先生が呼んでたぞ」
少年B「〇〇先生苦手なんだよな、俺なんかしたっけ。あ、頼まれごとしてたんだった……。」
少年A「どんまい。」
不安な感情を抱く人に関しての記憶が無意識に抜け落ちて、約束を忘れるなどの問題が起こり、トラブルを起こしやすくすることもあります。
3.「合理化」自分を正当化する
「合理化」は自分にとって都合の悪い事が起きたとき、相手に問題があるように理由をつけて自分を正当化しようとします。
合理化に当てはまる人は、自分の非を認めない人、プライドが高い、自信家のタイプが多いですがあまり自覚はないです。
失敗を認めず、他人の指摘を素直に受け入れられない特徴があるので、周りから関わりにくい人だと思われている可能性もあります。
「合理化」が出るタイプは豆腐メンタルの傾向があり、心の弱さや傷付きやすさを隠そうとする心理行動です。
4.「投影」弱みを押し付ける
「投影」とは、簡単に言うと責任転嫁してしまうような人を指します。
自分のミスをあたかも他人のミスのように指摘します。
例えば「あの人は私のことが嫌いだから」という発言。
これは自分も「あの人」を嫌いなのを差し置いて、他人に問題を押し付ける言い方をしています。
「投影」はコンプレックスや自分の嫌いな部分を自分でしっかり理解している人に起こりやすい心理行動です。
5.「反動形成」恋愛心理に多いツンデレ、天邪鬼
「反動形成」とは、抱えている感情とは反対の態度をとってしまう心理行動です。
「反動形成」は自己評価の低下を恐れた行動の表れで、自信のない人、自己肯定感の低い人に多い傾向があります。
意中の人に好意を悟られたくないために冷たくしてしまったり、嫌いな人のはずが何故か誉めてしまう行動が当てはまります。
反動形成の例)
少年A「お前、◯◯ちゃんのこと好きだろ」
少年B「は?あんなやつ全然好きじゃねーし」
◯◯ちゃん「……っ!!」タタタタタッ
少年B「あっ!?待っ……」
好きな人にいじわるしたくなる心理は反動形成の一種です。
6.「代償」欲求不満を他で置き換える
「代償」とは、満たすことが出来ずに溜まった欲求不満を他で満たそうとする心理行動です。
「代償」はある物事に対して不満や劣等感を感じている人が行動に出やすいです。
「子供がいない寂しさからペットを飼う」
「旦那がかまってくれないから他の男で…」
「友達がいないのでYouTuberになって人気者になる」
などが反動形成の一例です。
やって良いことと悪い事の分別がつけられなくなる人もいます。
7.「逃避」嫌なことは後回しにする
「逃避」は直面している問題から別のことを考えることで不安や緊張、恐怖から
自分を守ろうとする心理行動です。
現実逃避は大抵の人が経験ある、分かりやすいストレス回避行動のひとつです。
▼逃避の例
「学校へ行くことを考えると具合が悪くなる。」
「勉強がしようと思っていたのに掃除をしてしまう」
これらも「逃避」当てはまります。
夢の中で逃避を行ってストレス解消をすることもあります。
8.「同一化」憧れの対象に自分を重ねる
「同一化」は、優れた人や重要なものと自分を重ね合わせようすることで欲求を満たそうとする心理行動です。
「同一化」は自己評価を高めたいという心理の表れです。
▼同一化の例
憧れの芸能人の服装や髪型を真似る
ブランドを身に付けて自分を良くみせる
コスプレ
SHISHAMOの「明日も」は、同一化の心理表現を用いた歌詞の例です。
痛いけど走った 苦しいけど走った
報われるかなんて 分からないけど
とりあえずまだ 僕は折れない
ヒーローに自分重ねて
明日も
9.「昇華」満たせない不満を行動力に変える
「昇華」とは満たすことの出来ずに溜まった不安や欲求を、社会的価値のあるものなどの別の形に転化してパワーを発揮する心理行動を指します。
例えば性欲や暴力など犯罪に関わるような世間的に認められない欲望をそのまま発散せずに、仕事や勉強、スポーツ、芸術などの自己価値に繋がることで力を入れる人です。
ストレスを昇華できる人は強い精神力がある人で、強味になります。
しかし、昇華行動を失敗をしてしまった場合、強い反動となって異常行動を起こす心配も懸念されます。
10.「転位」別の事象に対して不満をぶつける
「転位」とは八つ当たりのような直接関係のない対象に不満をぶつける心理行動を指します。
▼転位の例
仕事のストレスを家庭内で発散する。
家庭内の不満が原因でクラスメートを虐める。
「転位」は自分の力では変えることの出来ない不安や恐怖、欲求不満を別の対象で解消しようとする表れです。
以上、防衛機制というストレス回避の心理行動を紹介しました。
「防衛機制」は問題ある行動のようにも感じますが自分の心をストレスから守るための策でもあります。
このような行動でストレスの発散が上手く出来ていないと、精神的負担が大きくなってうつ病などの病気に繋がる危険もあります。
基本的に防衛機制は無意識な行動なので自分で気付くことは少ないですが、周囲の人をみたときに気付かされることがあります。
「不思議な考え方をしているな」と感じていた人の行動は、「自分を守るための手段をとっているんだ」という理解に繋がるかも知れません。
今回参考にさせて戴きました。
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ありがとうございました。