営業って難しいですよね。
頑張って説明して「これ買ってください」と言っても買ってくれる人ってほとんどいません。
「買ってください」とお願いすると買いたくなくなるのが消費者心理なんです。
「これが欲しい!」 と思わせるには、熱い気持ちで『押し売り』するよりも、「買わなくていいですよ」、「こんな商品ありますよ」程度の『引き売り』が成功する場合もあります。
他にも、広告、知人や有名人の口コミ、セールストークなど『第三者の視点』を利用することで購買意欲を沸かせる技術などもあります。
営業成果を出すには、顧客の心理を理解することが大切です。
今回はつい買いたいと思わせる技術を学ぶ、消費者心理学についてです。
欲しい理由は人それぞれ(精緻化見込みモデル)
豆腐メンタルのとふめんです(@tohumen090031)
皆さんは買い物をするとき、どんな理由でその商品を購入しますか?
恐らく答えは「状況による」だと思います。
必要なものは買わないといけないし、必要ではなくても興味が引かれるものは欲しくなります。
ただ、傾向として
車や家電など大きな買い物の場合は「必要性」を重視して、
お菓子や趣味などの比較的手に入りやすい物は「興味や欲」を重視して買物をします。
中心ルート
例えば、新車、家電製品、保険の契約など大きな額の買い物になる場合、
金額が大きい分、失敗したくないので本質を見極めて買いたいかどうか考えます。
顧客はその商品の良し悪しを判断しようとするため、営業の話を真剣に聞く姿勢になっています。この場合は、プレゼン能力、商品知識、熱意など、営業としてのストレートなスキルが重要になる場合が多いです。
このとき雑音や電話などの邪魔が入ったり、説明が分かりにくいと思われると顧客の購買意欲が削がれます。
周辺ルート
例えば新商品のお菓子など、比較的財布の負担が少なくて購入できるものの場合。
その商品そのものの魅力だけではなく、間接的特徴からも魅力を感じる傾向があります。
好きな俳優やアイドルがCMに出ていたので気になった、などです。
「吉岡里帆+星野源=どん兵衛」というイメージになりますよね?
「ガッキー=チキンラーメン」ですよね?
気になっている俳優や女優が宣伝しているだけで商品が欲しくなるような心理は意外と大きい要因なのです。
CMのイメージがいかに重要かが分かりますね。
実は「新商品だから」「好意的な人から勧められたから」「安かったから」など、
商品そのもの本質とは関係のない理由で買うという周囲ルートが
消費者心理のほとんどの場面に当てはまると思います。
営業でも間接的に心理を利用するテクニックが大事ということに繋がります。
消費者心理の非合理性
人はいつも自分にとって利益のあるものを選ぶ(合理的な判断)のという行動はとらないようです。
人は選ぶということにメンタル面で大きな疲労を感じるようで、
広告で目についたものを選んだり、買い慣れたものだから選ぶ、といったできるだけ判断に頭を使わない行動をとろうとします。
歯磨き粉やシャンプーの日用品など、種類が沢山ある商品のなかで一つ一つの成分や効果を調べてどれが自分にとって一番メリットがあるのかを考える人は珍しいでしょう。
その他とふめん(私)の場合みたいに、飽きるので2回続けて同じものは選ばないようにしている、という買い方の人もいるのではないでしょうか。
なにが言いたいかというと、消費者心理は気分にも左右されることがある。ということです。
悪い印象も与えることなく商品のプレゼンもうまくいったのに全然買ってくれなかった。ということもありますが、単に顧客が買う気分じゃなかっただけ。ということもあります。
営業スキルUP!興味を引かせる心理技法
商品の良さだけうまく説明しても売れないというのが営業です。
営業マンとして覚えておきたい顧客を引き付ける心理を紹介します。
ハロー効果(好意)
- 好意的な印象の人から説得をうけると、勧められた物まで魅力を感じやすくなります。まずは自身が気に入られるところからです。
- スタイルや容姿に魅力のあるモデルやイケメンが化粧品のCMに出ていると商品のイメージにも魅力が移り、好感が持てるようになります。
服従原理(権威)
風邪薬や洗剤などの広告は研究家や先生の話を取り入れているのをよく見かけます。
専門家の話は説得力が増して受け入れやすくなる心理を利用しています。
CMの出演者が白衣を着ているのは
その衣装だけでも信頼度が増す心理が働くためです。
社会的証明
- 商品の本質が分からなくても、多くの人が買っている、使っているという情報は購買意識を高めます。「周りの人も結構使ってますよ?」は必殺技です。
- 商品の種類が多くて迷うところに〈売上No.1!〉といったPOPがあるのはとても分かりやすいヒントになります。
スノッブ効果(希少性)
「数量限定」や「期間限定」、「残りわずか」
という売り文句は冷静な判断を欠かせる有名な手段です。
このような希少な物に対して購買意欲が沸く心理を「スノッブ効果」と言います。
あえて商品の本質から意識を逸らせる方法です。
もの珍しさという興味や残り少ないから人気商品なんだ。という不確かな考えを働かせます。
返報性の原理
「初回無料」、「初月のみお試し」
または試供品や試食のような一見売る側にメリットがなさそうなサービス。
お試しがあるととりあえず使ってみようという興味を惹きます。
そこから、「せっかく貰ったのだから1回くらい買ってみようかな」という返報性の心理が働きます。
「自分が受け取ったら何か返したい」という心理を利用したテクニックです。
スーパーのおばちゃんがホットプレートで焼いて配るウインナーはずるいですね。
買わないと申し訳ない気がしてきますからね。
食い逃げをするとすごい罪悪感を感じます。
一貫性原理に当てはまるブランド志向者
人は気に入ったブランドならば、一貫して同ブランドの商品を買う傾向があります。
ブランド品には「自分の価値観、地位を示したい」という自己顕示欲の道具に使われます。
この自分の価値を示したいという心理は研究結果からかなり正確性があります。
▼精緻化見込みモデルの周辺ルート化
ブランド品はもともと品質や性能の良さが評価された商品の品質で購入を判断する中心ルートの例です。
このブランドならばなんでも安心という信頼を勝ち取り
ブランド名を見ただけで選んでもらうようになった。
中心ルートから周辺ルートへ移行した企業努力の結果でしょう。
感情の影響
イメージは購買判断に左右される大事な要因
感情が商品に移るので好感の持てるイメージ作りは大切です。
気分を損なうCMであれば、その商品を買う気もなくなります。
損失回避の法則
「恐怖」や「危険」という感情も購買意欲に関わることがあります。
防犯グッズや非常用の商品などがそれに当たります。
購入を考えている時に感じたBGMの好み、天気の良し悪しなど
その場の環境で商品に無関係な感情でも購買意欲に影響します。
満腹時に御馳走が出てきても嬉しさは半減しますよね。
セールスで機嫌が悪いなと感じた時は無理に粘らず日を改めた方が賢明でしょう。
決定回避の法則
ウィンドウショッピングだけで満足してしまうのは誰もが経験したことあるかもしれません。
これは欲しいものの選択肢が多すぎると選ぶことに脳が疲れて買う気が無くなるという心理です。
S.アイエンガー、M.Rレッパーの研究で
選択肢が多いと購入率が減るという研究結果があります。
6種類のジャムを販売している店と24種類のジャムを販売している店で
それぞれ売上の統計を取る。という実験を行いました。
▼店の前で立ち止まった人の割合
6種類の店 40.0%
24種類の店 59.9%
店の前で立ち止まった(興味を持った)のは24種類のジャムを売っている店の方が多い結果でした。
▼買った人の割合
6種類 29.8%
24種類 2.8%
しかし、実際に購入されたのは圧倒的に6種類のジャムを売っている店でした。
24種類のジャムを販売した店の購入率が極端に低いことが分かります。
この実験から選択肢が多過ぎるのはストレスということが証明されました。
満足度で見てもも同じようで、6種類の店で買った方が満足度は高い結果でした。
以上、営業に役立つ消費者心理について紹介しました。
押してばかりの営業ではうまくいかないということで、時には引いてみるテクニックも大事です。
是非参考にしてみて下さい。
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ありがとうございました