誰にでも得意不得意はあると思います。
人と話すことが苦手な人がいるように、字を書くことが苦手な人もいます。
苦手な理由は、自分の字の上手さに自信がない、見られると緊張する、手が震えてしまうなど色々な理由があります。
字が下手なだけなら練習をしていくことで上達していくかもしれませんが、人前だと書けなくなる、字を書こうとすると手が震えてくる、という症状は、別な問題かもしれません。
社交不安障害の一種に「書痙(しょけい)」という症状があります。
普段の生活ではなんともないのに、字を書く時だけ手が震えてガタガタな字になってしまうのが「書痙」です。
字を書くことや自分の字にコンプレックスを抱えていたり、人に見られることに極度の苦手意識を持っている方などが書痙で悩まされています。
この書痙という症状は字を練習することで改善することはできるのでしょうか。また、どのような改善方法や対策があるのでしょうか。
今回は、「書痙」の症状の原因や特徴、対策や改善方法についてなどを紹介していきます。
字を書くことがコンプレックス
豆腐メンタルのとふめんです。(@tohumen090031)
人の字体にはいろいろな個性が表れます。
上手い下手だけではなく味のある字を書く人もいると思います。
字の上手いことが「仕事ができる」「頭が良い」などの直接的な評価に繋がることはないとは思います。
ですが、自分の字は意外と他人に見られる機会が多いので、字の特徴が自分の印象を作って与えてしまうこともあります。
字が下手なことによるデメリット
一般的には、字の上手い人は良い印象を持たれやすく、字が下手だとマイナスな印象を持たれやすいです。
字の上手い下手は、どのようなマイナスイメージを持たれてしまうのでしょうか。
1.ガサツ/仕事が出来なさそう
字の上手さは実際の能力と関係なくても、知的さ、仕事、勉強などのイメージと結びつきやすいです。
なので逆に字が汚いと、普段の生活もガサツそうというイメージを持たれてしまうことがあります。仕事に関しても、どこか適当で雑そうのようなイメージを与えてやすいです。
本当は仕事が出来るのに、字の印象から実力以下の評価を受けてしまう可能性もあります。
2.字が読めない/読み間違いのトラブルが起こる
字の上手い下手も一つの個性ですが、読めないほど字が汚い人はさすがに印象も悪くなります。
特に相手に見せる書類などの字も読めないくらいの字を書く人は、「他人のことを考えていない」と思われることがあります。
他には、字の汚さが仕事の効率を悪化させることがあります。
例えば、手書きの書類を提出したときに字が汚すぎると、「読めない!」と怒られたり、「なんて書いてるか分からないから説明して」と言われてしまうことが起こります。
「汚くて読めないから説明して」
仕事と関係ない事で怒られると気分を下がりますし、説明が必要になってしまうことも手間になります。
また、字が汚かったり、癖の強い字を書いてしまう人に起こりがちなのが「読み間違い」です。自分では分かっていても他人からは違う文字に見えてしまうことがあります。
読み間違いがトラブルやミスに発展する危険もあります。
特に、「1」が「7」に見えてしまうなどのような数字の見間違いは連絡ミスに繋がりやすいので注意が必要です。
3.自分のメモが読めない
これは自業自得なデメリットです。
仕事中に急いでメモを取ることもあると思いますが、自分でも読めないほど雑に書いてしまうと、メモの意味がなくなります。
そのときは覚えていても、後で見返すと何を書きたかったか全く覚えていないということが起こります。
「これなんて書いてると思う?」と他人に聞いても絶対に分かりません。
大事な仕事や約束を見落としてしまうトラブルに繋がります。
4.自分の字がコンプレックスになる
苦手なことや他人よ劣っていると感じることは進んでやりたくはありませんよね。
周囲の目を気になり、極度の緊張をしてしまうこともあります。
仕事でもプライベートでも「書く」機会は意外とあります。
コンプレックスを持ってしまっていることで、書く機会がある度に嫌な思いをすることになります。
単純に字が下手な場合は、練習を重ねていけば上達することは可能です。
大人になってから矯正するのはなかなか大変かもしれませんが、字の練習帳のような本なども沢山あるのでやる気になれば苦手を克服することはできます。
書くときに字が震えてしまったり、人前で書く時だけ極度に緊張してしまうことがコンプレックスとなってしまっている方は、練習だけでは解決できずメンタル的な問題を抱えてしまっている可能性も考えられます。
「書痙」という不安症状はどんな症状のなのでしょうか。
「書痙」の症状や特徴
字を書くことに極度の緊張を生じたり、無意識に手が震えてしまう症状のことを「書痙」と言います。
書痙は書く時にだけ表れる不安症状なので、他人に理解されにくく症状でもあります。字も震えてガタガタになってしまうので、見た人からは不思議な目でみられることもり、さらに不安を感じてしまうことがあります。
▼書痙症状が表れる場面の一例
◆書類の手続きで名前や住所を見られながら書く
◆注目を浴びている状況で字を書く
◆年賀状を書く
◆手紙を書く
書痙が起こる原因
書痙が起こってしまうのは2つの原因があると考えられています。
1つは脳や筋肉の異常によるもの、もう1つは精神的な問題から起こるもの、という2つの原因があります。
1.局所ジストニアによる書痙
筋肉の収縮運動へ指示する脳の部位が、何らかの異常により震えとなって表れる障害を「ジストニア」と呼びます。
研究によると、「ジストニア」が発症する理由には、原因の分からない先天性のものと、脳卒中などの後遺症から起こる二次性のものがあると考えられています。
発症の仕方にも色々な事例があるようで、全身に痙攣症状が起こる場合と、書痙のような局所的な場所のみに起こる場合があります。
2.メンタル面の異常から起こる書痙
上がり症であったり、人から注目されることが苦手、自分の字が下手だと思っている、見られながら書くことに強いストレスを感じるような方は、精神的な悩みやコンプレックスが問題の書痙である可能性が高いです。
普段の会話や行動は特に変わりがないのに、字を書く時にだけ手が震えてしまいます。
精神的な理由から起こる書痙は「社交不安障害」や「あがり症」の分類に含まれる症状です。
書痙は練習して自分の字に自信がつけば直る、慣れたら大丈夫になるというものではありません。
練習して字が上手くなっても震えは止まりませんし、見られることに慣れて震えが止まるということもほとんどありません。
書痙による震えは精神的な影響が大きいので、改善したいと思うなら医療機関に相談してみることをおすすめします。
書痙が起こる原因となったトラウマな出来事や自分の内面と向き合っていくことも必要になると思われます。
対処方法
書痙をの症状を改善する、あるいは抑える治療方法は原因によって異なってきます。
原因が脳の異常や神経症の理由で起こる場合は、薬物療法やボツリヌス療法が一般的です。
ボツリヌス療法とはボツリヌス菌を体内に入れて、痙攣を抑える効果を期待する治療法の一種です。
精神的、心因的な症状の場合は、手が震えてしまう根本の原因を解消していく
必要性があります。緊張や不安を取り除いていく練習を重ねて症状を軽くしていく
以上のような心理療法などがあります。
書痙は精神的に抱えている問題が影響していると考えられるので、医療機関に通うことがおすすめですが、苦手意識や自信のなさが原因の1つとも考えられます。
つまり、自分の字に自信をもることが出来れば、人前で上がったり手が震えることもなくなる可能性はあります。
本屋には大人用の字の練習ができる参考書やボールペン字講座のような資格教室など、字を上達させる選択肢は沢山あります。
自分自身に合う苦手克服方法を見つけることもおすすめです。
以上、書痙の症状や原因などについて紹介しました。
興味が沸いた方は参考にしてみて下さい。
参考にさせていただきました
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ありがとうございました