人にはいろいろな性格があります。
感情の出にくい人、出るやすい人、喜怒哀楽の表現もタイミングもそれぞれです。
だからこそ感じ方に違いがあり、そのせいで相手の感情が理解できないこともよくあります。
例えば職場で普通に仕事をしているとき、突然上司に怒られた。という経験はありませんか。
「急に機嫌悪くなってどうしたんだろう」
「どうして今怒られたのだろう」
予想もしないタイミングで怒られると、すごい不快な気持ちになるし、状況が把握できずに混乱してしまうこともあります。
しかし、怒ってきた上司の本心はなかなか知ることが出来ません。ただ虫の居所が悪かった可能性もあれば、期待の裏返しのような意味が含まれている可能性もあります。
そこで今回は、怒る上司はなぜ怒っているのか、どういうときに怒るのかを、怒りのパターンや隠れた心理などに注目して紹介していきます。
怒りは人を不快にさせる
豆腐メンタルのとふめんです。(@tohumen090031)
「怒り」は、主に嫌なことがあったときなどに起こる感情です。
怒りは自分でコントロールすることは難しく、突発的に沸いてくる感情です。
怒りとは
欲求を満たすことが阻害されたときに
その原因に対して生じる不快な感情。
マンガ はじめての心理学
監修 ゆうきゆう より引用
上記の説明のように「欲求が満たされなかったとき」、自分の思い通りにいかないときの不安や不快感から表れる感情です。
「怒り」は攻撃的な面を持っていて、相手を不快に感じさせたり、悲しませたりすることもあります。
例えば周囲に怒っている人がいると、場の空気が悪くなり、自分が怒られていなくても居心地の悪さを感じてしまいます。
しかし仕事をしていると、上司などに怒られたという経験は誰にでもあると思います。
他人を不快にさせる怒りをなぜ向けてくるのでしょうか。
怒りは期待の裏返し?
「怒り」の原因は欲求が満たされなかったことによるものです。
自分が誰かに怒られたときは、その人が求めていたことを満たすことが出来なかったから、ということが言えます。
見方を変えると、ここまでやってくれるだろうと自分に期待していた、ということになります。
実は人とのコミュニケーションは、常に期待への受け答えの繰り返しです。
家族や仕事、友達でも店の店員でも、スポーツでもなんでも、コミュニケーションを取る場合、少なからず相手の行動を予想しながら自分も行動しています。
「こう答えたらきっと次はこう返事をしてくれるだろう」
「自分がこれを行うと相手はあれをしてくれるだろう」
自分の行動によって相手のアクションを期待するようになります。
店の仕組みもそうですよね。自分が商品をレジへ持っていくと店員が会計をしてくれる。特に会話がなくても仕組みが成り立っているので予測で一連の買物の流れを行うことが出来ます。
しかしこれは「ただの思い込み」にしかすぎないのです。
怒る人は予測の繰り返しで会話が成り立っているということに気付いていません。
レジの前の店員が「レジの打ち方が分からないので会計できません」と言ったら驚きや怒りが生まれてくると思います。
コミュニケーションが十分にとれていない場合、お互いの予測にズレが起こりやすくなり、勘違いしやすくなります。相手が期待したアクションをしてくれなかった時、期待を裏切られたという「勘違い」から起こる不快感が「怒り」へと変わります。
これは仕事でも同じです。
もし自分が理由も分からず上司に怒られたとき、 上司は自分に対して違う何かを期待していた、または求められていたレベルが違った。それに対して自分が答えられていない、ということです。
怒りのメリットは「感情が伝わりやすい」
怒りは攻撃性を持ち、不快にさせたり傷つけたりする反面、感情や本音をストレートに伝えることになるので意思が伝わりやすいというメリットもあります。
結果的に普段は見えない心の底の本音をお互いに理解することが出来て、関係が深まる場合もあります。
真剣さを伝えるという目的では「怒り」は向いています。
怒ってくる上司の中には、真剣な気持ちを伝えたいという熱いタイプもいるのかもしれません。
「怒り」はネガティブな感情表現ではありますが、時には人の心を動かす力になることもあります。
一概に怒ることが悪いとも言えないのです。
「怒る」と「叱る」はどう違う?
似たような感情表現である、「怒る」と「叱る」。
しかし、目的や意味を調べてみると2つの意味は全然別物です。
▼怒ると叱る それぞれの意味
「怒る」・・・自分の感情を一方的にぶつける攻撃的感情。
「叱る」・・・相手の欠点の改善を指導する目的の表現。
2つの言葉を比較してみると、
「怒る」は自分の為の行動、「叱る」は相手の為の行動という違いがあります。
この違いを理解していない先輩や上司は沢山います。愚痴や暴言混じりの怒りをぶつけることを指導だと言い張る人もいます。
感情的になって言う必要もないことまで批判する上司は、ただ自分のイライラを発散
させるための自己満足な怒りでしかありません。典型的なパワハラ上司に認定です。
一方で相手の改善や成長を促すため「叱る」上司は、怒気はあっても落ち着きを感じとることができます。
受け手側はただ不満をぶつけられている「怒り」なのか、親身に指導してくれている「叱り」なのかなんとなく感じ取ることができると思います。
上司の怒り方に隠れた心理や性格
突然に人から怒られると、驚きや不安になります。
また、性格によって怒るきっかけは違うのでますます分からないことがあります。
どうして上司が怒っているのか分からない。
だけど恐くて理由を聞くことは難しいと思います。
上司がどんな状況で怒ってしまうのか、理由や性格の傾向を見ていきましょう。
1.だらだら説教タイプ
だらだらと文句や指摘が続いて長時間開放してくれない上司。
早く終わってほしいと思っているこちらの空気は感じ取ってくれず、とても面倒なタイプ。
話が逸れてきて今関係のないことまで怒られることも珍しくありません。
最終的に何を伝えたかったのか分からないで終わることもあります。
そんな長々とした怒り方をする理由には、上司自身が「頼りにされたい」「尊敬されたい」という期待を強く持っていると考えられます。
上司の理想像や憧れを求めすぎているタイプですが、大抵このタイプは部下から慕われにくい傾向があります。
このタイプは明確な上下関係をつけたがるので、早いうちに「すいません」などの具体的な謝罪の言葉を口に出した方が収まりやすいです。
2.対等に向き合ってくれる上司タイプ
指導や指摘をするときはいつでも同じ目線の高さで叱る上司。
椅子に座っている時は上司も椅子に座った状態で、立っている時は上司も必ず座った状態で話す人がいます。
このタイプの上司は、年下とか部下とか上下関係を重視しないという姿勢が表れています。
上司としての圧力や好き嫌いのひいき目を持たず、仕事は仕事で区別も出来るタイプなので正当な指摘を与えてくれる傾向があります。
差別しない態度に好感を抱きやすい上司のタイプです。
3.部下目線な気配り上手上司タイプ
周囲の目がある状況で怒られることは、恥ずかしく感じる人が多いと思います。
見られたくない自分が晒し物のように注目されることは大きなストレスになります。
そんな気持ちを察して、周りの目がある環境ではなく、人目の届かない所でこっそり叱る上司もいます。
その辺を考慮してくれるのは空気が読めて優しさもある性格の上司であると考えられます。
「ちょっと裏こいや」で人前から避けた場所でキレる上司は、悪いやり方と自覚してパワハラまがいの指導をする可能性があるので注意。
4.小心者のコンプレックス持ち上司タイプ
気配り上手な上司とは逆に、敢えて人前で部下を怒鳴りつけるようなやり方をするタイプです。
部下や相手の気持ちには気にも留めない典型的な嫌われやすい上司像。
周囲に見せつけるような指導の仕方は、部下としては大恥を掻いて精神的ショックから自信を失うことも考えられます。
悪化するとトラウマやうつ病にも為り兼ねないので気を付けたいタイプです。
実はこんな高圧的で強気に見えるタイプの上司の心理には、「自信のなさ」や「劣等感」が隠れています。
このタイプの人は、自分優位に立つことで自分は人より劣っていないと自覚させようとすることで心を保とうとする「気の小さい人」です。
自分の弱さを必死で隠そうとする心理の表れなのです。
例えばクレーマーも、「客」という立場を利用して文句の言いやすい状況でしか強く言えないのものです。
このようなコンプレックスタイプは相手を思って叱っている行為ではなく、自分の欲をを満たすための怒りです。
このタイプの言葉は真剣に受け入れる必要はありません。
耐えたところでそのうち自分がストレスが溜まりうつになるだけです。コンプレックス持ち上司のタイプの対策は、強い言われ方をしても自分が悪いと考えず、ひたすら聞き流すことです。
相手の「怒り」の心理が理解できれば自分も不快な感情を少なく抑えることができてストレスも抑えられます。
自分を守る上手なかわし方を身に付けましょう。
是非参考にしてみて下さい。
参考にさせていただきました
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ありがとうございました。